1.このカテゴリの目的
医療機器の製造を担う 製造業の役割・要件・実務ポイントを体系的に整理。 製造販売業との関係、QMS省令の適用範囲、外部委託管理、製造所の管理体制などを 新規参入企業・既存メーカー・品質保証担当者が迷わず理解できるようにまとめます。
なお、製造業の登録自体はクラスを問いませんが、製造販売業が製品を市場に出すために必要な製造販売手続き(届出・認証・承認)は、取り扱う医療機器のクラス分類によって決まります。
2.製造業とは?
- 医療機器を実際に「製造等をする」事業者
- 製造販売業とは別の登録
- 製造所ごとに登録が必要
- QMS省令の一部が適用される
3.登録の対象となる製造所(4つの工程)
製造業の登録は、製造に関わるすべての施設に必要なわけではありません。薬機法施行規則第114条の8により、次の工程を行う製造所が登録の対象になります。
| 対象工程 | 登録の対象となる施設 |
|---|---|
| 設計 | 承認又は認証を要する医療機器の設計開発に関して責任を有する者がいる施設 |
| 主たる組立てその他の主たる製造工程 | 製造実態がある施設のうち、当該品目に係る品質管理監督システム又は製品実現について実質的に責任を有する施設 |
| 滅菌 | 滅菌を行う施設 |
| 国内における最終製品の保管 | 市場への出荷判定時に製品を保管している施設 |
(1)製品の種類による違い
| 製品の種類 | 登録の対象となる工程 |
|---|---|
| 一般医療機器(クラス1) | 主たる組立てその他の主たる製造工程/滅菌/国内における最終製品の保管 ※承認・認証を要しないため、設計工程は対象外 |
| その他の医療機器(クラス2〜4) | 設計/主たる組立てその他の主たる製造工程/滅菌/国内における最終製品の保管 |
| 医療機器プログラム | 設計 |
| プログラム記録媒体 | 設計/国内における最終製品の保管 |
※再製造単回使用医療機器(使用済みの単回使用の医療機器に、検査、分解、洗浄、滅菌などの処理を行い、新たに製造販売するもの)は、施行規則第114条の8第4号で別に登録対象の工程が定められています。
(2)間違えやすい点
- 「工場だけが登録対象」ではありません。設計を行う施設、滅菌を担う施設、出荷判定時に製品を保管している倉庫も、それぞれが登録の対象になります。
- 設計開発を行う施設が、製造販売業の主たる機能を有する事務所と同一の場合は、その施設の設計工程の登録は不要です。
- 製造を外部に委託する場合は、委託先の製造所が必要な登録を受けているかを確認します。登録がなければ、その工程を委託することはできません。
- 体外診断用医薬品は登録対象の工程が異なります。滅菌は対象にならず、「反応に関与する成分の最終容器への充填工程」などが対象になります。
4.製造業に必要な体制(QMS省令の適用範囲)
QMS省令の要求事項が適用される。
- 製造工程の管理
- 文書管理(製造手順書・検査手順書)
- 記録管理(製造記録・検査記録)
- 設備管理・校正
- 外部委託管理(再委託がある場合)
- 不適合管理・是正処置
- その他
5.製造業の実務ポイント
- 製造販売業との契約(製造委託契約)
- 製造所の変更管理
- 製造記録の整備
- 工程能力の維持
- 設備の校正・点検
- 不適合品の管理
6.製造業の位置づけを一言でまとめると
- 製造販売業:市場に出す責任者(元売り)
- 製造業:製品を作る工場等
- 修理業:修理、点検を行う事業者
- 販売業・貸与業:流通・貸与を行う事業者
7.関連ページ
製造業の実務を進めるうえで、あわせて確認しておきたい解説ページです。
- 製造販売業
製品を市場に出す最終責任を負う業態です。製造業との役割分担を確認できます。 - 医療機器のクラス分類とは
製品を市場に出すための手続き(届出・認証・承認)は、取り扱う機器のクラス分類によって決まります。 - QMS・ISO9001・ISO13485
製造工程に求められる品質マネジメントシステムの体系を整理しています。 - 医療機器ビジネスの新規参入
許可取得から販売開始までの全体の進め方を9ステップで整理しています。
出典:薬機法施行規則第114条の8、「製造所の登録について」(PMDA)、「医療機器及び体外診断用医薬品の製造業の取扱いに関する質疑応答集(Q&A)について」(薬食機参発1020第4号・平成26年10月20日)、「医療機器プログラムの取扱いについて」(薬食機参発1121第33号ほか・平成26年11月21日)
