1.このページの目的
医療機器ビジネスへ新規参入する際、最初に理解すべき「医療機器とは何か」を、条文の構造から最短で押さえます。
2.医療機器の定義(薬機法第2条第4項)
薬機法第2条第4項は、医療機器を次のように定義しています。
この法律で「医療機器」とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう。
「又は」「若しくは」が多く、一読では構造がつかみにくい条文です。構造を整理すると理解しやすくなります。
3.図解:定義を構成する3要素

4.実務上のポイント:3要素すべてを満たす必要がある
以下の3点は、すべてを満たすことで初めて「医療機器」に該当します。どれか1つでも欠けると医療機器にはなりません。
- ①対象:人だけでなく動物も含まれる(見落としやすいポイント)
- ②目的:診断・治療・予防、または身体の構造・機能への影響を目的とすること(該当性判断でもっとも重要な要素)
- ③形態:政令(薬機法施行令別表第1)に示された機械器具等であること(目的を満たすだけでは医療機器に該当しない)
5.該当性判断で迷うケース:形が同じでも判断が分かれる理由
3要素のうち、実務でもっとも判断に迷うのが「②目的」です。
政令(薬機法施行令別表第1)に似た名称の製品が載っていたとしても、それだけで自動的に医療機器と判定されるわけではありません。
たとえば「医療用ハサミ」を考えてみます。政令の別表には「医療用はさみ」という品目が挙げられていますが、その構造・機能自体は、文房具のはさみや調理用のはさみとほとんど変わりません。
この2つを分けているのは、モノの形や機能ではなく、「診断・治療・予防、または身体の構造・機能への影響を目的として使われるかどうか」という使用目的の部分です。
実務では、以下のような要素を総合的に見て判断します。
- 実際の使用目的・使用のされ方
- 販売される市場(医療機関向けか、一般消費者向けか)
- 製品の表示・広告の内容(「医療用」「治療に使える」等の訴求の有無)
つまり、政令の別表に載っている名称や、機能が似ているというだけで判断を終えず、②の「目的」要件を満たしているかを必ず個別に検討する必要があります。
この該当性判断が難しいケースでは、製品の薬事申請に詳しい専門家やPMDA等への事前相談が実務上の定石です。

6.まとめ
医療機器の定義は、**「対象」「目的」「形態」**という3つの要素で構成されています。この3要素を押さえることが、医療機器ビジネスの新規参入における制度理解の出発点です。
とくに「目的」は該当性判断のカギとなる要素です。次の4つのキーワードを覚えておくと、実務で確実に役立ちます。
- 診断
- 治療
- 予防
- 身体の構造/機能への影響
7.次に読むべきページ
対象製品が医療機器に該当すると分かったら、次はその製品が**どのクラス(リスク区分)**に該当するかを確認します。
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