医療機器のクラス3(クラスⅢ)とは|高度管理医療機器の承認・認証と必要な業許可

医療機器のクラス3(高度管理医療機器)|承認と認証の分かれ目

1.このページの目的

医療機器のクラス3(クラスⅢ)は、薬機法上「高度管理医療機器」に区分され、必要な手続きも業態許可も重くなります。
本ページでは、クラス3の製造販売手続き(承認と認証の分かれ目)、必要な業態許可、クラス2・クラス4との違いを、実務の判断順に整理します。

2.クラス3(クラスⅢ)とは

不具合が生じた場合の人体へのリスクが比較的高いとされる医療機器です。薬機法上は「高度管理医療機器」に区分されます。クラス4と同じ区分にまとめられますが、製造販売の手続きはクラス4と異なります。

  • 薬機法上の分類:高度管理医療機器
  • リスク程度:比較的高い
  • 代表的な品目:透析器、人工骨、人工呼吸器 など

自社製品がクラス3に該当するかどうかは、一般的名称(JMDN)を特定して確認します。判定の手順は医療機器の該当性・クラス分類の調べ方で解説しています。

3.クラス3の製造販売手続き|承認と認証の分かれ目

クラス3は原則として承認(PMDAの審査を経た厚生労働大臣の承認)です。ただし、認証基準が定められている品目(指定高度管理医療機器)は、登録認証機関による認証で進めることができます。

この分岐は2014年11月25日の法改正で設けられたもので、それまで承認一択だったクラス3の一部が認証の対象に加わりました。どちらになるかで、費用も期間も資料の量も大きく変わります。

クラス3(クラスⅢ)=高度管理医療機器認証基準が定められているか(指定高度管理医療機器に該当するか)はいいいえ認証登録認証機関(民間・第三者機関)QMS適合性調査登録認証機関が担当承認PMDAの審査→ 厚生労働大臣が承認QMS適合性調査PMDAが担当
作成元:Process Office
項目承認(原則)認証(指定高度管理医療機器)
対象認証基準が定められていない品目認証基準が定められている品目
提出先PMDA(審査)→ 厚生労働大臣が承認登録認証機関(民間・第三者)
QMS適合性調査PMDAが担当登録認証機関が担当

いずれの場合も、製品の審査に加えて、製造所が適切に品質管理を行っているかを確認するQMS適合性調査が必要です。手続きの全体像はクラス分類ごとの必要手続き(届出・認証・承認)にまとめています。

4.クラス3に必要な業態許可

クラス3の医療機器を市場に出し、流通させるには、関係する事業者それぞれが業態ごとの許可・登録を持っている必要があります。

製造業登録設計/主たる組立て滅菌/国内最終製品の保管製造販売業第一種許可市場への出荷と最終責任販売業・貸与業許可医療機関等へ販売・貸与医療機関等使用者クラス3の商流と、各段階で必要な業態許可修理業(許可)修理区分ごとに責任技術者の要件があります※1 製造業の登録対象となる製造工程は、薬機法施行規則第114条の8に定められています※2 特定保守管理医療機器に指定されている場合は、クラスを問わず販売業・貸与業の許可と修理業許可が関わります
作成元:Process Office
  • 製造販売業第一種医療機器製造販売業許可。総括製造販売責任者・国内品質業務運営責任者・安全管理責任者の三役体制と、QMS省令・GVP省令への準拠が前提になります。
  • 製造業製造業登録。登録の対象となるのは、設計主たる組立てその他の主たる製造工程滅菌国内における最終製品の保管を行う製造所です(薬機法施行規則第114条の8)。製造を外部に委託する場合も、委託先の登録状況を確認します。
  • 販売業・貸与業高度管理医療機器等の販売業・貸与業許可。届出ではなく許可である点が、クラス2との大きな違いです。
  • 修理業修理業許可。修理区分ごとに責任技術者の要件があります。

三役の要件や兼務の可否は医療機器の三役とは|総括・国内品質・安全管理の要件と兼務の可否で整理しています。

5.クラス2・クラス4との違い

項目クラス2(Ⅱ)クラス3(Ⅲ)クラス4(Ⅳ)
薬機法上の分類管理医療機器高度管理医療機器高度管理医療機器
リスク程度比較的低い比較的高い極めて高い
製造販売手続き原則:認証
(基準なしは承認)
原則:承認
(指定品目は認証)
承認のみ
製造販売業許可第二種第一種第一種
販売業・貸与業届出許可許可

クラス2とクラス3は「原則が認証か承認か」がちょうど裏返しの関係にあり、クラス4は認証制度の対象外で必ず承認になります。区分全体の比較は医療機器のクラス分類とはをご覧ください。

6.クラス3で間違えやすい点

(1)「クラス3=承認」と決めつけてしまう

認証基準が定められている品目(指定高度管理医療機器)であれば認証で進められます。品目(一般的名称)が特定できた段階で、認証基準の有無を必ず確認してください。この確認を後回しにすると、スケジュールと費用の見積りが根本から狂います。

(2)販売チャネル側の許可を確認していない

クラス3は、自社だけでなく販売する側にも「高度管理医療機器等の販売業・貸与業許可」が必要です。クラス2の届出と違い許可なので、取得には時間がかかります。販売代理店を想定している場合は、事業計画の早い段階で相手方の許可の有無を確認しておく必要があります。

(3)特定保守管理医療機器の指定を見落とす

クラス分類とは別に、保守点検に専門知識を要する機器は「特定保守管理医療機器」に横断的に指定されます。指定を受けている場合は、クラスにかかわらず販売業・貸与業の許可と修理業許可が関わってきます。

(4)承認取得までのリードタイムを短く見積もる

承認は品目により相応の期間を要します。事業計画では、販売開始日から逆算したスケジュールを引き、QMS適合性調査の準備期間もあわせて確保しておくことをおすすめします。

7.まとめ

  • クラス3は「高度管理医療機器」。原則は承認、認証基準がある品目は認証
  • 流通に関わる業態は第一種製造販売業許可・製造業登録・販売業/貸与業許可。事業者ごとに必要な許可が異なり、修理を行う事業者には別途修理業許可が必要
  • クラス2との最大の違いは、販売業・貸与業が「届出」ではなく「許可」であること
  • まず一般的名称(JMDN)を特定し、認証基準の有無を確認するところから始める

8.関連ページ

クラス3の手続きを具体的に進めるうえで、あわせて確認しておきたい解説ページです。


出典:薬機法第2条第5項(高度管理医療機器の定義)、薬機法施行規則第114条の8(製造業の登録対象となる製造所)、厚生労働省通知に基づくクラス分類、PMDA公式サイト